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2013年8月 4日 (日)

二期会オペラ『ホフマン物語』

久しぶりのオペラ観劇、7月31日の初日に出かけた。
新国立劇場オペラパレスまで電車で行くか、渋谷からバスにするか、迷ったのだが、一度副都心線、新宿三丁目経由を試みたとき、歩く距離が想像以上だったことを思い出し、やはり行きなれていた渋谷からのバスを選ぶ。「国立劇場前」のバス停で降りてみたら、歩道橋を渡らなければならなかった。これまで一つ手前の「オペラシティ南」で降りていたのは、それなりに理由があったのだ。
自分のこだわりの経過についての記憶があやしくなっているのも高齢のあらわれ。

オペラの中で一番好きな『ホフマン物語』を観るのはこれで四回目、十年まえ日本オペラ振興会公演が最初、あまりに物足りなかったので、翌年イタリア、パルマ「テアトル・レッジォ」に思いきって出かけ、舞台美術、歌手、演出すべてに満足、そして三度目が昨年のスカラ座。
そして四度目、二期会のこの日の舞台にはあまり期待をしていなかった。楽曲を楽しめればいい、と席もSではなくA、直前、二期会から連絡があって、撮影が入ることになったので、反対側の位置の席に代わってほしい、と言われ、しぶしぶ了承したのだが、二階L,2列5番というその席、舞台に至近の二階桟敷席にあたり、オーケストラもよく見え、思いがけなく観心地は最高。
オペラの指揮にかけては第一人者のM.プラッソン氏、東京フィルの音色をこの上なく響かせ、合唱がまた、ド迫力のハーモニー、何よりも驚いたのはホフマン役の福井さんのテノール、甲高くなく、十分な強さを持つ感情表現豊かな、のびやかな声量に魅惑され、胸が高鳴ってきた。
いままで観たうちの最高のホフマン役だったと思う。それと同時に日本のオペラ界がこれほどに成長したことに、この数十年の彼らの努力を思い、感動していた。

惜しむらくは悪魔四役が迫力不足、怪しさ、怖さ、憎々しさをもっと強く押し出す声量、声のめりはりが乏しかった。オランピア、アントニアには大拍手、道化役フランツもイタリアの歌手を超えていた。

舞台美術は幻想的ではあったが、美しくなかった。ヴェネチアの場面は妙に現代的にせず、古風なままでいいのいと思う。一方アントニアの屋敷はアンティークな感じの出し過ぎで、みすぼらしく見えてしまった。オランピアとニクラウスの衣装も色合わせやデザインが不満。
オペラの舞台美術や衣装、もっとセンス豊かな才能は育たないものか。

なんと来年は二度もホフマンが上演されるという。そのうちの必見は大野和士率いるリヨンの引っ越し公演。

来年もなんとか元気でいたいと欲が出てくる。


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音楽」カテゴリの記事

コメント

そうですよね~、先のイタリア旅行は「ホフマン物語」を観るためでしたよね。
感想、批評をみていると、オペラに如何に造詣が深いかがわかります。
cannellaさんのようなファンがいるからこそ、音楽家もやりがいがあるでしょう。

前回のキャベツの記事面白く読みました。
おまじない?と思っていると、キャベツの持つ特性を利用しているんですね~。
《朝起きたらシワシワのキャベツが下着の中から…》を読んで思わず笑い出し
ました。
オペラとシワシワキャベツのミスマッチがとても人間臭くて、人間味があって
こんなの大好きです。
そしてシワシワキャベツの効能が出ているのが、又嬉しいですね~。
今度真似してみます。

ちゃぐままさん
あなたのような方が読者でいてくださってうれしいです。lホフマン・・・は3時間半の大作ですが登場人物も多彩、合唱の盛り上がりが素晴らしく、メロディーが心ときめく美しさなので、少しも疲れず、また観に行きたいという気持ちにさせてくれます。

キャベツ効果はまだ続いています。肩こりを忘れていられるのは、この猛暑の日々、救われます。

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

株投資さま
お名前から想像して投資の勧誘かと思い、うっかり削除しそうになりました。
うれしいコメントありがとうございました。

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