泳ぐ
欧米女性の泳ぎは圧倒的に平泳ぎなのだろうか? 映画で見る限り、ほとんどそうだ、と、たまたまムーヴィー・プラスで『スイミング・プール』という映画を見ながら思った。キャップもかぶらず、ゴーグルもつけず、しかも顔を出したまま、すいすいと泳ぐ。
宿泊したホテルのプールでも見かけるのは平泳ぎばかりだった。
わたしは五十過ぎてから水泳を習い始めたのだが、クロールとバックができるようになると、それ以上はもういい、と平泳ぎに挑戦するのをやめてしまった。ひとつには腰に悪いと言われていたからだ。
クロールとバックを交互にすると、ちょうど、身体の裏表を鍛えたという感じで、平均がとれ、効果もいいように思われたのである。
でもカッコイイのは確かに平泳ぎ、くやしいけど。
夏に海外にいくことはこれまで滅多になかったので、海外で泳いだことは数えるほど、香港、ヴェトナム、ハワイなど。
イタリアに行くようになってからは、イタリア一週間ステイの帰り、ウイーンに寄り、郊外のバーデンで泳いだことがある。このときはローマの語学留学一週間がかなりハードでとても疲れていたので、バーデンの温泉に入るつもりでいたのである。ところが出かけてみると、温泉とはつまりぬるま湯のプールだとわかり、がっかりするやら、驚くやら、でもここで泳いだおかげで、ローマの疲れは消えた。このとき水着が要るとわかって、急遽、ウイーンで購入。黒の単純な形なのだが、身体に吸い付くようでいて、欠点が隠れる。係りの女性がとても丁寧に選択を手伝ってくれたおかげで、よい買い物ができた。六年も前のものだが、未だに着用する事が多い。
イタリアで泳いだことはただの一度、イタリアンリヴィエラの海ではなく、プール。ジェノヴァ近くのキアヴァリというところにホームステイしたとき、朝、シャワーが使えなくなって、急遽、近くのプールに連れていってもらった。ところがこのプール、ダイビングもできるとあって、なんと二メートルの深さ。足がつかぬまま、泳ぐのはとても不安、高齢者のひとたちもいて、つかまる場所がある、一番端で泳いでいるのに気がつくまで、しばらくかかり、日本の高齢女性イタリアのプールで溺死などという、新聞の見出しが頭によぎりながら、三十分を過ごし、語学校の一時間目に遅刻したのだが、肩こりはすっきり解消していた。
この夏にステイするホテルにもプールがある。水着を持参するつもりではあるが、またもやその深さが今からちょっと不安である。
最近のコメント