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2013年2月13日 (水)

いまこそベートーヴェン

先週一週間のあいだに、二度コンサートに行き、はからずも、同じ曲目を二度聴く機会を得た。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番。
最初にオペラシティコンサートホールでレイフ・オヴェ・アンスネスのピアノ、オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団、エサ=ペッカ・サロネン指揮。
次にサントリーホール、ヤン・リシエツキのピアノ、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、指揮者のヤニック・ネゼ=セガンは突然の体調不良で、前半のこのコンチェルトは出てこられず、第一ヴァイオリンの弾きぶりという珍しい演奏となる。

アンスネス42歳、リシエツキ18歳、親子ほどの年の差だが、現代最高のピアニストの一人であるアンスネスにテクニックだけでは遜色ない追従ぶりの天才青年リシエツキ。

だが、なにかが違った。
アンスネスは言っている。「モーツアルトは天上にいながら下界を見下ろしているような音楽、反対にベートーヴェンはしっかりと地に足をつけながらも天上をあおぎ見て至高を目指す音楽」である、と。そして四年にわたり、ベートーヴェンの五大協奏曲やピアノ曲を150回も演奏してまわる『ベートーヴェンの旅』と称する偉業を続けている。

アンスネスが弾きはじめると、もうわたしは何も考えずにベートーヴェンの世界に入った。リシエツキのときは、上手だなとは思いつつ、指揮者なしでうまく合わせていけるのかしら、などと考えていた。

どれほどベートーヴェンの意図することを理解し、それを表現できるのか、そのことひとつにかかっているのだろう。テクニックだけではない何か、聴衆はその至高のなにかを聴きたくてコンサートホールに足を運ぶ。

近頃、モーツアルトは聴きたいと思わない。家でよく聴くのはベートーヴェンのピアノトリオ、いまこの不安な時代、なにが起こるかわからない、人生の最終のとき、聴きたいのは天上を仰ぎ見る調べである。


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