朝食あれこれ
朝食は二十数年同じもの、リンゴ、キャベツ、ニンジンをジューサーにかけ、最後にレモンを絞り入れたものをゴクゴク飲んだあと、アルペンというシリアルにヨーグルトとミルクを加え、ブルーベリーやクランベリーのドライフルーツをふりかけて食している。
去年は地震の影響か、リンゴが不作で香りもお粗末、いつ不満だった。このところようやく山形産のサンツガルが出てきて、これは安価で新鮮、ジューシー、ほっとしている。
不作の影響は深刻なのか、なんでもニュージーランド産、リンゴも出回っているとか、果物事情が心配である。
八年まえ、ボローニャに短期留学したとき、ホームステイの朝食はヨーグルト、コーヒー、甘いブリオシュかビスケットのたぐいという純イタリアスタイル。
そのあと、早朝八時から開いているマーケットのベーカリーでまず、パニーニを買い、そばの肉屋で生ハムとチーズのうす切りをはさんでもらい、向いの八百屋でルッコラ、ミニトマト、ブラッドオレンジ(真っ赤なオレンジ)を買い、それを学校で食べるランチにしたものだった。
ちょっとずつしか買わないのに、当たり前のように店主たちは愛想よく親切、朝の時間を豊かにしてくれた。
同時期の旅行の仕上げに、フィレンツェに立ち寄り、ジョヴァンナの家にステイして、親しくなった。彼女はその頃、『ヘミングウエイ』というバールを経営していて、そこはアルノ川の向こう側、サントスピリト地区の評判の店であったが、日曜のブランチが素晴らしく美味であった。生ハム、サラミ、モッツアレーラチーズ、玉子の小型オムレツやチキンロールのようなものもあり、パンも手作りフォッカッチャや菓子パン各種など、ジュースはもちろん生絞り、果物、ケーキ、ビスケットのたぐいも並んでいて、胸がドキドキするぐらいおいしかった。
ルネッサンス料理の専門家であった彼女、イタリアの格調高い料理の本質を知りぬいていた。
彼女とはまだメールをやりとりする仲、あなたのこと、いつも思ってる、と言ってくれる優しいひとである。
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いつも楽しく拝見しております。
自分の世界と異なる生活の一駒、日々学ばせて頂いております。
朝食でお飲みになってるリンゴ・キャベツ・ニンジンの割合をお教えいただけますでしょうか。挑戦してみたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
投稿: Tacchan | 2012年9月19日 (水) 14時15分
Tacchanさま
ご関心をくださりありがとうございます。
リンゴ大きめなら半分、ニンジン二センチくらい、キャベツ二口ぐらい、ザク切り、ジュースにします。そして出来上がりにレモンの一かけ、絞り入れます。
お世辞かも知れませんが、しわがない、とか、年より若くみえるとか言ってもらえるのは、このジュースのせいかも、と思ったりします。
投稿: cannella | 2012年9月19日 (水) 16時43分
うわぁ、うれしいです。ありがとうございます。
アンチエイジングの効果もあるのですか。
きっときっとcannellaさまは美麗な方だと思います。
医食同源をモットーになるべくサプリメント等に頼らず美しく歳を重ねたいと思います。
週末に挑戦してみます。乞うご期待のほど。
投稿: Tacchan | 2012年9月20日 (木) 11時52分
Tacchanさま
自分本位の思い込みかも知れませんが、そうとでも思わないと、ジューサー洗いのわずらわしさをいとわずする気になれません。
投稿: cannella | 2012年9月20日 (木) 19時36分
写真のフェラーラ、塩野さんの小説によーく出てきました。
こういうお城だったんですね~。
イタリアの朝食のこと、ランチのこと、ドキドキするほど
おいしいという日曜のブランチ・・・。
こちらもドキドキしながら読みました。
日本にいるのと同じように行動できるところが本当に羨ましいです。
ブラッドオレンジジュースは日本ではまだまだお高いですね。
投稿: ちゃぐまま | 2012年9月20日 (木) 20時41分
ちゃぐままさん
イタリアというところは暮らすように旅するのに、最適の場所です。
ブラッドオレンジジュースは、ほんと、お高い!
オレンジやネーブルは安いので自分で生ジュースつくって、イタリアをしのんでいます。
投稿: cannella | 2012年9月21日 (金) 08時33分