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2012年8月 5日 (日)

PMF異聞  2

26日付けの北海道新聞夕刊にPMF芸術監督のファビオ・ルイジのインタビュー記事が掲載された。芸能欄の紙面半分を占める扱いだったが、首都、東京の新聞にこのような記事が載って、同時にPMFの紹介をあらためて詳しく報じたならば、よい宣伝となって、観客を動員できたのではないか、という思いがよぎった。
東京でPMFに行くと友人に話しても、何、それ?と言われるほうが多い。羽田―札幌は飛行機でわずか一時間半だが、札幌で起きていることを知るにはやはり距離がありすぎるのである。
北海道内のクラシック愛好者だけでKITARAホールを満員にするのはむずかしいだろう。東京どころか、関西、いや、それ以外の大都市でもよい音楽を聴きたいという人たちはいつも、情報を求めている。マエストロ・ルイジが去るこのときこそ、組織委員会は道外まで、観客動員の働きかけをすればよかったのにと思われてならない。

滞在二日目から札幌も30度を越す猛暑となって、日中の外出は控えていたが、三日目の夜、花火大会が催されて、中島公園内の丘の上やKITARAホール前の広場から夜空の絵模様を楽しむことができた。東京都内の花火大会のあの混雑がうそのようなゆったりした空間で涼風をあび、夜空をあおぐ、まさに憩いのひとときであった。

ガラコンサートは二部構成で、午後三時から八時まで一部は室内楽名曲集、そして第二部がいよいよ、ファビオ・ルイジ指揮、ブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、そしてR.シュトラウスのアルプス交響曲の二曲である。
第二部の初めには観客を総動員してホルストのジュピターに歌詞をつけたPMF賛歌を歌わせて、観客の意識を盛り上げようとする試みもあったが、入りは八分強といったところ。およそ2000人を収容するホール内を圧倒するほどの歌声にはならなかった。

今回の席は二階の左前方、舞台を見下ろすところで、指揮者を前方から見られて、一段と迫力が増した。クレッシェンドからフォルテッシモに至る高まりが身体をつきぬけるように陶酔をさそう。目を閉じていると、とても若者中心のオーケストラとは信じがたいほどの充実ぶりであった。
とりわけ『アルプス交響曲』はアルプスの夜に始まり夜に終わる、長い長い、音模様。池辺晋一郎氏によれば音の洪水という形容がされているが、それが実にめりはりがきいていて、指揮者がイタリア人であるだけに、アルプスを好んで描いたセガンティーニの絵をみるようでもあった。

終演後、地元のPMF会員の人たちと、会食する機会があった。その席で、組織委員会への不満と、非難の言葉があまりにも激しくとびかうのに驚いたのであった。23年にも渡るPMFの経過を見聞きし、PMFを愛し、応援し続けた人たちが冷遇されている事実も明らかになってきた。

来年は新たな芸術監督が就任するのであろうか。PMFを知ってわずか二年であるが、知れば知るほど、音楽の精神を尊ぶ創設意図の素晴らしさに感動を覚える。
どうか、この、ほかに類を見ない、音楽祭の企画がよい形で継続していくようにと、切に願わずにはいられない。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

せっかく札幌までお越しでしたのに、お目にかかれなくて本当に失礼してしまいました。

今年のPMFはルイジ&札響とペターゼンのアリアコンサートの2回だけの参加でしたので、あまり大きな顔はできないのですが・・・
今までになく観客の少ない、盛り上がらないPMFになったのではないかしら。例年参加のウィーンフィルのソリストたちが居なくなったのが、一番大きい原因と思います。

すれ違いに上京したミンコフスキ&金沢アンサンブルも入りは悪かったので、ミンコやルイジのような素晴らしい指揮者であっても、地方のオケや音楽祭は敬遠されるようですね。

PMFの来年からの音楽監督がまだ決まらないのは金銭的な問題があるのかもしれません。ウィーンフィルのメンバーたちの不参加は「金の切れ目が縁の切れ目?」とか地元では噂されていましたから・・・寂しいことです。

数日前から急激に涼しくなりました。福井からやってきた孫たちが「寒い~」というほど。明日から4日間、もっと涼しい十勝まで遊びに連れ出し、留守の夫はその間休養する手筈になっています(笑)

来年もPMF&避暑に来ていただけますように。

aliceさま
世界中で音楽体験をしていらっしゃるあなたのお言葉、なるほど、と思いました。
ミンコさんの入りも悪かったとは意外です。

PMF,去年と比べてファカルティの質は決してひけをとらなかったと思うのですけれど。
もう一人、やはり世界中のコンサートに出かけている情報通の男性の意見では、今年は去年の震災でオーディションに出られなかったひとたちが多数入っていて、ユースのレベルがこの上なく高い、組織委員会側の姿勢に問題あり、だそうですが、わたしは門外漢に近く、真偽のほどがわかりません。感じたことを述べただけです。

aliceさん、おばあちゃま業もしっかりやっていらっしゃるのですね。オドロキです。

交響曲からセガンティーニを連想されたところがさすがですね。
音楽と絵画の結びつき・・・、今東京で展覧会があっていますね。

バーンスタインは確か佐渡裕三と親交が深かったんですよね。
佐渡氏の言葉の中でバーンスタインの人柄を知りました。
若い人の音楽教育に心血を注いだバーンスタインの心が
札幌でずっと続いて行ってほしいですね。

でも日本は音楽教育にお金がかかるし、コンサートの料金も高過ぎますね。

ちゃぐままさん
拙ブログ、こまかいところまでご理解くださり、ありがとうございます。
札幌のコンサートは東京に比べて安価でした。
佐渡さんとバーンスタインとの交流のことはあなたのほうがお詳しそうですね。

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