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2012年6月11日 (月)

ロイヤルビジネス 2

王室の財政改革が可能になったことで、女王さまの表情がかくも晴れやかになったことも驚きではあったが、それより思いもかけないニュースは一連の改革行事の立役者が、なんとチャールズ皇太子であったということだ。
あの水上パレードの発案も皇太子なのである。
そしてご自身のコーンウオール領、五万ヘクタールという広大な放牧地に、次世代のための理想の街づくりを実現された。その名もパウンドバリー。
それだけではない。コッツウオルズ地方の小さい街、ハイグローブの別邸にはご自身が手がけられた庭園があり、ガーデニングの本まで出版。イギリスの原風景を次世代に残す責任があるとおっしゃる。
お見それいたしました、皇太子さま。
ご自身が招いた、いや、ご自身にふりかかった不運の嵐から目をそらさず、しっかり受けとめていらっしゃったのですね。

去年、ロンドンから帰国するとき乗ったタクシーのドライバーはヒースロー空港までの数十分、英国の実情を嘆いてしゃべり続けた。止まらぬ不景気、政府は無能、老人に冷たく、凍るように冷たい冬には暖房費を惜しんで凍死する高齢者が少なくないとか。ロイヤルウエディングなんぞめでたくもない。高額の学費に怒る学生たちはリッツホテルに投石したり、カミラ夫人にレモンをぶつけたりしている。
それももう片方のイギリスの実情、マイク・リー監督の映画にも出てくる。

でも2008年に訪日されたチャールズ皇太子は服装もセンスあふれ、以前より凛々しさが増したように思われた。
レモンをぶつけられても、カミラ夫人は心身症にもならず、内助の功を果たされているのだろう。
昔、昔、王子さまはお姫さまと出会い、その美しさに魅せられ、結婚、めでたし、めでたし。そしてその後、現実には、王子さまの心ははなれ、悲劇が起る。
そして、そして、十五年の月日のあとは、運命から逃げなかったご家族の姿があった。

そういう人生の、なにか普遍の行程を見続けることができた、七十四歳という年齢をとても愛おしく感じるこのごろである。

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コメント

きっちりまためられた英ロイヤル情報。それも「取材者cannella」さんの
現地取材情報まで入っていて、とても読みごたえあります。
最近の週刊誌は広告のタイトルだけ見てうんざり。
あらかじめ「こなふうに書こう」というという姿勢が見えていやになります。
2ページだけですっきりわかりました!
英ロイヤルのように日本も開かれるといいですね~!

ちゃぐままさん
うれしいコメントありがとうございます。
頂点の王室が観光ビジネスの先導役をしている英国、交通費から、ホテル代からやたらとお金がかかる仕掛けになっていて、これには驚かされます。

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