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2012年5月17日 (木)

もてなしの極意

「お出かけになりませんか」というタイトルのメールで、Nさんから昼食のご招待をいただいた。
田園都市線の終点に近い駅、文庫本が一冊読み終えるぐらい、と以前は言われていたのに、急行に乗ったら、二子から三十分もしないで着いてしまった。雨が気にならないほどの駅からの距離、花に彩られた家が多く、落ち着いた住宅地に変容していて、彼女が二十数年まえこの地を選んだ選択のよさを再認識した。
これまで洋風の料理メニューが多かったのだが、その日は和食の粋。
焼きシャケをほぐした身とミョウガ、柴漬け、大葉の線切りが入ったバラ寿し、エビと長いもを叩き、レンコンみじんと合わせた揚げ物、ゴマ豆腐、トマトとオクラ、ジュレつき、清まし汁も長いものシンジョ入り、それにタイの昆布〆め。
食べ終わるのが惜しいぐらいの美味、このところ手作りのおよばれが少なくなっているので、至福のひととき。
ご主人を昨年末失くされたばかり、しかも、ご主人の伯母さま、94歳をまだ介護中。
料理は苦にならないの、のお言葉に近頃バテ気味のわたしは絶句。
デザートが驚きの一品。タピオカにハチミツとレモンを合わせ、そこに食べられるアロエの身を混ぜ、キウイをかざったさわやか薬膳風。まさに癒された。
しかも、おみやげにと渡されたのは庭のキンカンを煮たという手作りジャム。

雨はまだ止んでいなかったが、二歳年上の彼女が極めた家庭料理の達成感のオーラを浴びて、励まされた心地がしつつ、軽やかに坂をのぼる。

『モナリザ・スマイル』という忘れがたいハリウッド映画がある。ジュリア・ロバーツがリベラルな美術教師になって東部の名門女子大に赴任するその時代が、まさにわたしたちが学生だったあのころ。授業では、突然、夫から十人の客を連れていく、と言われたときのもてなしを計画せよ、などの課題が出たりする。
メニューを決め、材料をそろえ、手順よく調理し、味覚に応える仕上がりにする、しかも人数が多ければ多いほど、細やかな気配りを必要とする。家の中も美的感覚十分の居心地を演出、そして自分のホステスとしての服装を配慮するとなると、まさに衣食住すべてにかかわる一大プロジェクトである。
そういう経験を積み上げてから社会に出て仕事をしたひとが、成功を勝ち取る例が多いのも納得がいくのだが、Nさんも60歳を過ぎてからインテリアデザイナーとなって、主婦経験なしでは果たせない目配りのきいたデザイン力を発揮している。


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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

先日、何でもディスポーザーで捨てて、紙皿で食事して、無かった事にしてしまう食事の話を聞きました。 今、子供達を塾に通わせている若い親の話です。 
今では、主婦の鏡となった何でもできるおばあちゃまこそ、孫の世代を育てなければ!!
自宅にお呼びしても、お返しはレストランだったりするのがご時世。 自宅でのおもてなし、昔は当たり前だったのに!  Nさん、見習いたいです。 
でも、簡単BBQも捨てがたいのが本音です。 

れいこさん
本当に世の中、ゆったり生活じゃなくなりましたね。隠居という言葉が死語になりつつあり、バアサンたちは疲れております。
日々の食事もつい一汁一菜、ですからこういうお招きは貴重の貴です。

記事を読みながら、まさに「もてなしの極意」を実感しました。
材料からメニューまで、ご馳走の心が詰まっていますね。
主人側もホストを思い描いて料理する・・・。それだけで交流は大成功ですね。

映画のこと。
アメリカでも主人側はこんな風にたくさんの料理でもてなすのですね。
話を聞けばもっと簡単なパーティーだと聞くことが多いのでちょっと驚きました。
つい先ごろ、引き出しの整理をしていたら、来客メモメートが出てきました。
夫がその頃よくお客さんを連れてきたので、料理の中身を絵に描き、メンバーを
メモしたものです。
限られた予算の中で必死に料理していた若いころの情熱は今いずこ!

ちゃぐままさん
ブログから拝見してもあなたのおもてなしは、さぞ、と想像できます。
こちらに駐在している外国人の家族も近頃は、eating outが多いようですね。全世界的現象でしょうか。

近年アメリカに行って思う事は、モナリザ・スマイルの時代は遠い遠い昔。 レストラン接待がやはり多いです。 専業主婦は稀なのです。 女性も如何に高収入の職業に就くかが、本人も親も関心の中心かと思われます。 それは、離婚率が高い事と相関あるそうです。 卵が先か鶏が先か分かりませんが、考えさせられました。 何処も余裕が有りませんね。 

眼科は先端医療ですね!!安心しました。
もう大丈夫ですね! でも、お大事になさって下さい。

れいこさん
女性解放運動のあと、女性は社会に出て、男性に劣らぬ能力を試すことに熱心すぎる気がします。手作りの家事をきわめることには、男性には真似のできないほどの創造性を発揮できると思うことがあります。
アメリカの女性学の講座で学びました。男性はメジャーな決断を得意とし、女性はマイナーな決断を得意とする、と。

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