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2012年5月28日 (月)

吉田秀和さんの追悼記事

偉大な人物が亡くなったときの報道を、きょうの朝日新聞は、まさにこうあってほしいという形で、あますところなく伝えてくれた。
一面では死亡に関するニュース、社会面には四分の一のスペースを割いた評伝、そしてなんと文化面では早くも追悼文を載せたのである。
この堀江敏幸氏の文が出会いから、生前のエピソード、印象、敬意、実に具体的、これ以上ないくらい適確で格調高い語り口で、吉田さんを、称えている。崇高なひと吉田さんを語るにふさわしい美文である。
芥川賞作家堀江さんの本を読みたくなってきた。

吉田秀和さん、どれほど音楽の素晴らしさを教えてくださったことだろう。
ノルウエーが生んだ不世出のピアニスト、アンスネスのデビューを知ったのもこの方の紹介記事を読んだおかげだった。

フィッシャーディスカウが生前、音楽も絵も感動をあらわさなければならない、その感動はかならず人に伝わる、と述べたということをラジオの追悼番組で知った。
フィッシャーディスカウがお好きだった吉田さんは音楽の感動を、堀江さんの言葉を借りれば、「冷えた理性の匕首(あいくち)」のように鋭く、しかも「暖かくなる独特の声のふるまい」で伝えてくださった。

享年98、ご長寿であって、十分生を全うなさったことにいくぶん、救われる思いがする。

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コメント

音楽だけでなく多岐の分野にわたる論評をされているので、
何がご専門かと思うほどでした。
こういう真の文化人は、必ずといっていいほど、文化や芸術を
後進に伝えるという尊い仕事をされています。
つながることを大切にされていますね。
入試の「現代文」では苦しめられました。なかなか難しくて。

資料整理のボランティアをしていますので、来週、今日付けの
朝日を探してみます。
新聞を毎日読みこなすのは大変なことです。それだけで一日を終えても
素晴らしいことだと思います。

写真のこと。フレスコ画ですか?立体的に見えて上から吊ったような感じですが。

ちゃぐままさん
きょうの朝日新聞の夕刊で丸谷才一氏があなたと同じ意見を述べておられましたね。吉田さんは奥さまがバルバラさんでいらっしゃったから、西洋音楽の理解がより自然におできになったこともあるのでは、と推察しております。

ピエモンテの山上の修道院クレアには小さい礼拝堂がいっぱいあって、そこを巡るツアーがあるのですが、これは天国を描いたもので、とりわけ気に入っています。

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