チャイの近況
飼いネコチャイは15年わたしたちと暮らしている。ネコの年齢に換算すると76歳だそうなので、飼い主同様、高齢だけど、二度の引越しに耐え、三軒の家にも順応し、日に三度ぐらい外を散歩してニャアとドアの外で啼いて、帰宅を知らせ、戻ってくる。
新しい我が家には網戸にネコ用の入り口もつくってあるので、何度か出入りを練習させてみたのだが、覚えようとしない。バカなのではなく、カレにはカレの考えがあるのだろう。
もともと、ネコを飼おうよ、と言い出したのは息子なのだが、可愛がり方も下手なので、引っ掻かれてばかりいる。それでも、わたしたちにはあまり話しかけない息子も、チャイには「おお、いたのか、ネコネコしいのう」などと甲高い声で呼びかける。それを聞くと彼もまともに暮らしているとわかるのである。
娘もチャイをこよなく愛している。「チャイに会いに行っていい?」わたしたちに会いに来るというより、チャイに、なのだ。やってきて、まずチャイに顔を埋め、癒されるのを優先する。
わたしもチャイにはつい、特別な声で呼びかけてしまう。「生きてる毛皮チャン、えらいねえ。おまえは生きてるだけでえらいよ」
チャイはこのごろ、水道からの新鮮な水を直接のみたがる。以前の家のバスルームには水道の蛇口がチャイの届くところにあったのだが、今度の新しい家には蛇口の上に棚がついているので、チャイのからだが入らない。そこでわたしに洗面シンクにのせろとニャアと要求するので、ドッコイショとのせて水を細めに出すと、105口くらいペチョペチョとのんで、蛇口を閉めることはせず、とび降りてトットッと二階に上がっていく。
自分に今必要なことをしっかり要求し、生きるということだけをひたむきにしている老猫がたまらなく愛しい。
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