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2012年3月 3日 (土)

海を三度渡った雛人形

アメリカ中西部の町、シカゴ郊外エヴァンストンに暮らすことになったとき、実母が手作りした木目込みの雛人形のセットを引越し荷物の中に入れた。
四十年まえのアメリカはまだ日本文化の知識が薄かったので、自宅のアパートでひな祭りのパーティをして、娘や息子の友人やその母親たちを招待したとき、初めて見る人形たちの優美な華やかさにみなが驚いて、楽しんでくれた。
滞在二年目の三月にはエヴァンストンの婦人クラブに依頼されて、雛人形を運び、飾りつけをし、ひな祭りの由来を説明する役目をした。手作りの品はとても珍重する風習があったので、実母の手作りということが一層関心を高めたのを記憶している。
帰国して、子供たちも中学、高校になるにつれ、お内裏様だけで省略することが多くなり、段飾りをすることがなくなってしまった。

六歳上の従姉妹は五十数年まえ、アメリカ人と結婚し、現在、シアトルに末の娘の家族と共に暮している。娘夫婦が共働きなので、孫娘二人の世話をしていると知らせてきていた。
帰国してからは文通だけで会うことがなくなってしまったのだが、一昨年、思い立ってシアトルを訪ねた。
八十に近い従姉妹にとって、孫の世話は難儀ではないかと、心配していたのだが、小学校の高学年の孫娘たちに慕われている彼女は幸せそうで、車の運転も危なげなくしていたし、パソコンもあやつり、陶芸の趣味を楽しむ日々を知って安心したのだった。

従姉妹に箱の中に眠ったままの雛人形を送ろうと思いついたのは帰国してほどなくのことだった。
三度海を渡った人形たち、その無事な姿を昨年、従姉妹がメールの添付で送ってくれた。雛壇までは輸送できなかったのだけれど、よく工夫して飾りつけたものだと、感心した。20110311_013_2

伯母である母ととりわけ仲のよかった彼女なので、その感動もひとしおだったようである。


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コメント

とてもいい話ですね~!
海外駐在にお雛様まで持っていく心配りに感心しました。
当時は日本文化を伝えるという、何か使命感のようなものを
持っていらしたんだと思います。
日本の宮廷生活の縮図というのもきっと珍しかったでしょうね。

写真の木目込み人形、我が家のと似ているので押入れの
お雛様が急に恋しくなりました。。
こんな風にして長い間飾り続けられ、日本の文化が大切にされると
嬉しいです。
それにアメリカの家庭にしっくりなじんでいるところがいいですね。

チャグママさん
お心のこもったコメントありがとうございます。
あなたの土びなもいいお好みですね。(チャグママ赤字をクリックすると見られます)
このごろのママは雛を飾る余裕があるのでしょうか。娘のところももしかすると、飾ってないかも。孫娘が嫁にいけないかもと心配になります。

素晴らしいお話ですねえ。可愛いお孫さんの写真も本当にステキです。結局英語が出来ても日本文化が語れないと、友人は出来ないようですねえ。わたしの英語も使わないので衰えるばかり。あんなにカンカンになって頑張ってたスペイン語も、すっかり消えてしまって・・・残念です。

山口さま
語学は継続が力なり、のようです。
わたくしも萎えそうなイタリア語、まだ週一度、クラスに通って、かろうじて継続しております。

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