一人で歩く
朝食後、早々に部屋替えをする。四階二つの部屋、とりわけバスルームの水の出を入念にチェック、蛇口が新式になっているほうを選んだ。ベッドはツイン、少し広め、ゆったり椅子もついていて、なんだか得した気分。引越しが厄介だったが、チップを渡して、クローゼットの衣類をハンガーごと運んでもらった。
電話が鳴り、心配していたことが本当になった。Eが発熱、マントバへのドライブや、ブリッジゲームなど、キャンセルとなる。彼は熱があるのに、わたしが一人歩きで大丈夫かと、心配するので、一人旅は慣れっこなのだから、むしろ、本領を発揮するときよ、こちらのことは忘れて、養生して、と励ます。
ちょっと、ほっとした部分もある。アムスからの連続行事で緊張し、こちらも疲れていたからだ。天候に恵まれ、寒さにふるえるほどではないが、溌剌とした気分になれない。
さあ、それでは一人歩きで出かけるか、だが、よっこらしょ、である。
ドゥオーモまでバス、二停留所まえでデモ行進があるから、と降ろされてしまった。前のひとに続いてぞろぞろ歩く。いつまでたってもドゥオーモが見えないので、向こうから来た人に訊くと、すごい人ごみだから、行かないほうがいい、などと言われてしまう。でも行き先はガレリアの書店である。と思ってみまわすと、いつのまにかガレリアの反対方向の入り口そばまで来ていた。日曜でもここは店が開いている。
書店で兄のためにマリア・カラスの写真集を買う。もう過去のひとだからか、ようやく二つ目の店で見つけた。書店にいても広場からのデモの喚声が聞こえてくる。
スカラ座側に出て、二日後に来る場所をゆっくり確認、タクシー乗り場もチェック。
マンゾーニ通りをなおも歩いていくとウインドウ越しに不思議な彫刻が見えた。人の出入りが多い場所なので、いったい何があるのだろうと入ってみると、そこはGallerie d’Italia、一番新しい美術館、しかも入場料が無料、そういえばEがぜひ案内したい、と言っていたところだと思い出した。
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部屋が変わってよかったですね。
まだ旅の先は長いし快適なホテルライフは必要ですよね。
Eさんの発熱がミラノ滞在中によくなるといいですね。
何よりも風邪がうつっていないことを願っています。
イタリアもギリシャもデモのニュースをよく見ますが、
やはりEUも大変なんですね。
あの美しいガレリアがデモで埋まるのは何となく悲しい気がします。
マントバ、本によく出てくので、そのブログ掲載がないのがさみしいです。
投稿: チャグママ | 2012年2月14日 (火) 00時12分
チャグママさん
熱心に読んでくださってうれしいです。
前回のご質問には長くなるので、あなたのメールアドレスにお返事しました。
投稿: cannella | 2012年2月14日 (火) 00時26分