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2011年12月11日 (日)

ながら、の楽しみ

大岡山を歩くのが好きである。
とりわけ商店街に向って左側の路地には心ときめく店がいっぱいある。中年のおしゃれを楽しむブティックや、センス抜群の古着の店、アウトドア・グッズの店、そして、個性ゆたかなカフェやレストラン、そこを抜けると、一番のお気に入りのベーカリー『イトキト』、再び商店街に出ると、安くておいしい海苔とお茶の店とか、手作り、古着種々の雑貨の店とか、新鮮この上ない魚介の店とか、ここだけにしかない、という輸入食品店とか、ついつい、財布のひもがゆるんでレジ袋がさげきれないくらいになる。
このところ、近日オープンの店に注目していた。
路地の角にある小さなスペース、白いアンティーク調のウインド、ドアも同系の白、<古本カフェ>という名のそばに、(小さな惣菜ごはんセットもあります)と書いてあった。

きのうはそこがようやくオープンしていたので、入った。
古書はナチュラル生活系の雑誌や書籍、それを見ながら、ゆっくりお茶や軽食を、という趣旨、手作りのアクセサリーや食器などもあり、カウンターのそばにクッキーやケーキも手作りのものが並べてある。
五席しかない小さめの椅子に腰を下ろすと、なんだか友人の家のダイニングルームにいるような居心地のよさ。
きょうの惣菜ごはんのおかずは? 豚肉です。
昼から豚肉は、と思ったが、先客が席をたって、おいしかったわ、と言ったので、それを注文した。
カウンター越しに見えるキッチンの中は、よくこんな狭いところに納めたものだと思われるほど必要なものが身体を一回転するところにすべてそろっている。笑顔の魅力的な四十代ぐらいの女性、自分の足で歩き、ネットも駆使してそろえたと応えながら、無駄なく手を動かしている。
創作料理風だったら、いやだな、と思っていたのだが、出されたものは小鉢五種類、彩りよい煮しめ、インゲンとひたし豆の味噌味風、三種の野菜の白和え、トマト味風の煮物、花豆、そして豚肉はシャブシャブ用ぐらいのうすぎりを色よくソテーしたのがみず菜の線切りの上にあって、うすいグリーンのちょっとわさびが効いたようなソースがかかっている。ご飯は五分ずきのベージュ色、五味五珍の極意をこころえた、どの味も申し分なく、わたしはたまげてしまった。

五十年になる主婦生活で、日々の料理にこれほどの気をくばったメニューを出したことがあっただろうか。近頃は五種どころか二種か三種でごまかし料理だ。

出されたもの残らず平らげて、満足、これでまたひとりごはんにぴったりの場所ができた。
その店の名は『ロジの木』

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コメント

ひとりごはんのいいお店見つけたようですね。今度行ってみようかしら。
大岡山の商店街の反対側、東工大の裏あたりにイタリアンのお店も出来たようです。
この街は下町のような親しみがあって、馴染みますね。

ayaさん
おすすめです。十分栄養とったので、あと『イトキト』でパニーニ買って、夜はそれだけで足りました。
東工大のほうはなんとなく足が向かなくて、情報不足です。

度々お邪魔いたします。実は私は東工大出身です。大岡山は毎日行っていたので、アメリカ生活も含めて、ばぁばさんにご縁を感じます。
そうそう、早速『台所のオーケストラ』が届きました。文章もすてきでお料理も美味しそう!教えていただいてありがとうございました。

chikoさま
まあ、素晴らしい、あこがれの大学です。裏の遊歩道いいですよね。
『台所のオーケストラ』124ページ、搾菜はとりわけおすすめ。即席ラーメンにかけると、これが、あの?というぐらいの一品になります。

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