2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
フォト
無料ブログはココログ

« 記念すべき日 | トップページ | 世襲に好奇心 »

2011年9月25日 (日)

オペラ『清教徒』を観る

日本初演のベッリーニの傑作オペラ『清教徒』、フローレス主演で聴けるのは、わたしにとって、最初で最後のチャンスだと、六ヶ月まえにチケットを購入したのだった。
それなのに、フローレスは来なかった。
ほかにも数名の主だった歌手たちのキャンセル。
理由は声帯付近の充血、腎臓結石の痛み、胸部リンパ節の手術、声帯の障害、咽頭炎などもっともらしい理由が並んでいるが、もっとはっきりしたわけを隠しているように思われる。それに追い討ちをかけるようにリチートラの事故死。

今回のボローニャ歌劇場公演は一体どんな仕上がりになることやら、といささか義憤を抑えながら出かけたのだった。

幸い、『清教徒』の最終公演だけは、アントニー・シラグーザが歌ってくれる。だが彼はすでに終えたリサイタルで、高熱をおして出演、体調万全といいがたい、などというニュースが伝わってきていた。
そのあとだけに、きょうは大丈夫だろうか?

不安は消し飛んだ。
シラグーザは素晴らしかった。歌うはずだったひとの存在を忘れさせるほど、あの「いとしい乙女よ、」の世にも美しいアリアを澄んだ美声で歌いあげた。
フローレスのようにのびやかで響きのある声ではないが、シラグーザの声は清らかで音程が限りなくしっかりしている。だからこそ、アルトゥーロの真摯な性格が伝わってきて、舞台の迫力が増したのである。
申し分のないソプラノ、ランカトーレとイタリア南部出身者同士の息が合ったというべきか、満足このうえない完成度の高い舞台で、場内は割れんばかりの拍手とブラボーの声が鳴りやます、聴衆の興奮も頂点に達していた。

幕間に一枚のCDを購入した。多くのひとは10000円もする、フローレス主演のDVDを買っていたが、わたしが迷わず買ったのは、2000円の『オペラベスト・オブ・ベスト』。
帰宅して早速聴いてみると、これが素晴らしいセレクションだとわかった。ソプラノも現在のスターが勢ぞろいだが、男性陣がことにすごい。
なんとフィッシャー=ディースカウが『プロヴァンスの海と陸』を歌っているのである。そのほかにもフローレスが二曲、ヨナス・カウフマンの三曲も入っている。
テノールの声比べである。
その上、歌詞つきなので、横文字を追いながら、当分は陶酔感を持続できそうである。

« 記念すべき日 | トップページ | 世襲に好奇心 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

お楽しみいただけたようでほっといたしました。何も私ごときがほっとするお話ではありませんが、あまりにもいろいろなことがありすぎましたものね。体調不良をおして、きっちりと仕上げてきたシラグーザに感謝と賞賛を惜しみません。ベッリーニの音楽の様式感と品の良さが満ち満ちた名演でした。

kikukoさま
あなたに教えていただいた、『清教徒』でした。
オペラ・マエストロのあなたも満足なさった舞台、感動新たです。
地震も放射能も台風もなんのその、日本にいて下さったシラグーザさん
ほんと、感謝、ですね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/565431/52830340

この記事へのトラックバック一覧です: オペラ『清教徒』を観る:

« 記念すべき日 | トップページ | 世襲に好奇心 »