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2011年8月29日 (月)

ある記憶

一軒の家の前を通りかかった。元整形外科医院だったところだ。
ガラス張りのベランダにはガラクタが積みあがっているのが外から見え、人家のようには見えなくなってしまっている。
娘が中二のころ、学校の身体検査で脊椎側湾症の疑いがあると診断されたとき、義母が通っていたので、行ったのがその医院だった。
院長は娘の上半身を裸にして、あちこち調べたあと、コルセットはめないと、からだがひん曲がってくるぞ、と言った。
娘はなにかを耐えているような無表情な顔で押し黙っていた。
よろいのようなコルセットを渡され、それをつけて寝るように、という指示だったが、わたしは傷つきやすい思春期の女の子に対して、あまりにも無神経なその医者の言葉をすぐには信じられなくて、医師の言う通りにすればいいという義母に反論して口論になった。
パソコンのない時代だったから、側湾症の専門医について、図書館かどこかで調べたのだったと思う。
数日して娘の学校に近い横浜の港湾病院とうところにつれていき、スポーツ医学の名医という医師に診てもらった。
たしかに側湾症状はあるが、曲がりが20度以下なので、コルセットをするほどではない、様子をみようという診断だった。

子どもを育てていて、なにかの不運が起きたときでも逃げずに向き合えば、解決されることもあるという体験のひとつであった。

娘は結婚して三年後、夫と死に別れて、二人の子どもを育ててきたが、大病もせず、音楽教師と英語教師をしながら、45歳になった。
F女学院の音楽教室に20年以上勤続したので、ご褒美が出て、学校が全費用をまかなうという10日間の短期留学で、いまウイーンに滞在中。
あのときの娘と同じ年の孫娘はブタの生姜焼きなどを料理して兄である孫息子の夕食をつくったりしている。

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