PMFファカルティ・リサイタルIII
PMFに合格した若き団員たちをパートごとに指導するのが、ファカルティと呼ばれる、すでに第一線のオーケストラで活躍する演奏家たち。
そのひとたちのファカルティ・リサイタルに、帰京する前夜でかけた。
場所はKitara小ホール、東京の紀尾井ホールくらいの規模、大ホール同様、音響がきわめて美しい。
交響楽団を構成する楽器のうち、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、オーボエ、トランペットやハープは独奏になじみ深いが、そのほかの楽器を単独で聴く機会はあまりないので、得がたい体験をした。
なかでも興味深かったのがティンパニー。強弱、スピードの変化だけでかもしだす音の妙味、ボストン交響楽団のテンパニー奏者、ティモシー・ジェニスの演奏は四つの小品を巧みに奏でわけて、納得させてくれた。
ピッツバーグ管弦楽団のコントラバス奏者、ジェフリー・ターナーが演奏した、『小さなワルツ』は小澤征爾さんの話によくでてくる指揮者クーセヴイツキーの作曲、どんな前衛的な曲なのかと思ったら、超ロマンティックなメロデイーでこれも忘れがたかった。
音楽とは音を楽しむことが基本となっているのだとつくづく感じながら、学んだ二時間余。
それにしても、コントラバス、トロンボーン、トランペット、オーボエ、ヴァイオリン、五種の楽器に合わせ、ピアソラからモーツアルトまで七曲もの伴奏を一人で弾きこなした、赤堀絵里子さんには敬意と驚嘆でいっぱい。
独奏者を引き立てる役をこの上ないテクニックで奏しながら、あまりにも見事なハーモニーなので、まるでデュオのように聞こえてしまうくらいの力量、その大仕事をこなしたのが日本人女性であることも誇らしかった。
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