引越しレポート 2 その時チャイは
引越しの初日は、梱包し終わった荷物を積んだ部屋で最後の夜を過ごし、翌日搬入と同時にマンションを引き払うつもりでいた。
その際チャイは九時から五時まで獣医科医院に預かってもらう約束をしていた。
それなのに、その当日なんと早朝五時過ぎから外に出たいとニャオ、ニャオと騒ぐ。
いつもは一時間ぐらいで戻ってくるので、夫をぎりぎりまで寝かしておきたかったし、最後の散歩だとたかをくくって、出してしまったのだった。
ところが引越し業者が来る時間になっても戻ってこない。
「出すな、とあれほど言っておいたのに」という夫の激怒の言葉にわたしも愚かだったとうなだれるばかり。
結局搬入は夫だけが立ち会うことになり、わたしは空っぽのマンションに残って、チャイの帰りを待った。
ネコめが戻ってきたのは六時間後の昼過ぎ、ともかく戻ってよかった。
今度こそ出したらどうなるかわからないので、どんなに啼いても知らん顔。
コンビニのサンドイッチとカフェラテを食しつつ、急遽買いもとめた文芸春秋一冊を読みながら過ごす。
夫が迎えにきたのが六時過ぎ、チャイはトップとサイドがネットになったトートバッグに入れられ、移動。
それから二日間、二階の夫の部屋で引きこもり状態になった。
そして三日目の昼過ぎ、わたしの部屋まで降りてきて、網戸ごしに以前の庭の空気をかぐような様子。
思い切って外に出してみると、おもむろに家のまわりを一巡し、やがて、隣家のネコ道の残りにひらりと跳びのり、駆け抜けて行った。
夜の八時すぎ、甲高い啼き声で帰宅。もう大丈夫。
翌日は明け方四時から午後四時まで外出。
こんなに長いあいだ一体どこにいるのだろう。
ネコの集会所だと言われている樹木の茂った小山がまだ残っている。あそこだ、きっと。
「おい、茶色いの、久しぶりじゃないか」とかなんとか白黒のボスネコに言われてるんじゃなかろうか。
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