旅程の偶然
週一度、徒歩距離で通っているイタリア語の夜のクラスが気に入っている。
生徒は十一名、全員六十歳以上、教師は娘ぐらいの年齢のイタリア人女性だが、イタリア語表現に四苦八苦の人生経験だけは豊かな、扱いにくい生徒たちを、巧みに指導してくれているからだ。
これまで出会ったイタリア語教師はしゃべりすぎる人が多かったが、彼女は生徒にしゃべらそうとする。
文法や表現の要点をのみこませてから、小グループにわけて実践させ、丹念に見回って指導する。
イタリア人の友人とメールで会話が交わせても、文法を忘れがちのわたしには何よりの復習になる。
イタリア語は手ごわい。
動詞だけのぶあつい一冊ができるほど、活用、変化形が複雑な上に、類似形が多いときているので、記憶中枢が衰退の一路の身にとって、このクラスは、実践で再確認させてくれるありがたい場所なのだ。
だから、今回の旅行で三度ぐらい欠席することになるのを残念に思っていたら、先生も同時期に旅行という発表があった。
しかもロンドン、ミラノ、わたしとちょうど逆の旅程だという。
それを告げたら、もしかして早朝の羽田じゃない?と訊かれて、またびっくり。
わたしの出発の翌日、朝六時半のBAなのであった。
羽田は近くていいのだけれど、両替所が開いていないので、ユーロを買いに出かけなければならない。
彼女は上野の近くに住んでいるので、タクシー代が二万円くらいすると言って困っていた。
話の続きは来週のクラスでさらに盛り上がるだろう。
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いい先生にめぐり合われてお幸せですね。私はとっくの昔に向上心を失ってしまって、イタリア語は加速度的に忘れています。BAが羽田から飛ぶとは知りませんでした。亡くなった友人のお嬢さんがCAのお局様で、搭乗したとき、若いCAに指令を発して、ワインの差し入れがあったのは、遥か昔です。どうか今回も素晴らしい旅をなさってくださいませ。
投稿: kikuko | 2011年3月 6日 (日) 19時51分
ありがとうございます。
羽田発はわたしも予期していませんでした。
しかも帰国時がまたミラノ、リナーテ空港発なのです。
ホームステイの家がリナーテに近いので、これもラッキーでした。
、
投稿: cannella | 2011年3月 6日 (日) 20時33分