冬山の癒し
この宿には周辺の散歩道の手書き地図が用意してあったので、わたしは「たち湯」体験のあと、そのうちの一枚を手に歩きに出かけた。
小高い山の中途、眺望がよいところまでと決めて、ゆっくり足をふみしめながら歩く。
舗装されていない道、上っていくのはわたし一人、この経験はアッシジのエレーモ・デレ・カルチェリに行ったときに似ている。
自分ひとりであることに集中しながら、足を運ぶ。
すがすがしい気持だ。
枯れススキの群生、淡いベージュの色が美しい。そしてみずみずしいシダの緑、急に視界が開けて、村落が見下ろせるところに来た。
深呼吸をする。
「ほとんどの男性は、結婚してもその生活の30パーセントほどが「夫」というものになる、が、女性のほとんどは80パーセントが主婦というエンドレスの賄い婦に変身する」と書いたのは高峰秀子さんである。
大女優だった彼女も食べることを大事にする晩年で、主婦のエンドレスさを痛感されたのだと思う。
ひとは年取れば取るほど、食べることを繰り返す生活をおざなりにはできなくなってくることを知る。
けれどもそのシンドさとも向き会わねばならない。
今はなんとかこなせるが、これからどうなるのだろう、深呼吸にはため息も混じっていた。
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はじめまして。このブログの一ファンです。
「佐野洋子さん」のキーワードでこのブログを見つけてからは毎回楽しみに読ませていただいてます。
四年前他界した母はパソコンなど使えませんでしたが、このブログを読むと何故か母のような温もりを感じてしまいます。これからも静かに、気長にブログを続けてくださる事を願ってます。
投稿: さくら | 2011年1月26日 (水) 12時40分
さくらさま
コメントありがとうございました。あなたのご年代で佐野さんに関心がおありになるなんて、素晴らしいことです。
うれしいお言葉、いただきました。大切にいたします。
投稿: cannella | 2011年1月26日 (水) 21時36分