京都師走あちこち 4
三日目、帰りの列車は3時まえなので、それまでそれぞれ自由行動をすることにした。
娘は特に目的なくあちこち歩きたいという。わたしは迷わず錦市場に行くことにした。
別れるとき、娘が、いろいろありがとね、と言いながら、新しい手袋をくれた。きのうわたしが片方を落としたともらしたときはめずらしく皮肉めいたことを言わなかったのに。
さあ、これからがわたしだけの時間、烏丸御池から三ブロックくらい四条に向かって歩き、和菓子店を左に曲がると錦市場。
十時ごろのせいかまだそれほど混雑していない。まずはお茶屋で京番茶を買う。
なんだかうきうきしてくる。やはりわたしの人生で一番長くやっていたことは主婦業なのだ。本当によい、おいしい食材の宝庫に来たことを意識しただけで、よぉ~し、いい買い物をするぞ、と胸がはずんでくる。
「錦は高うおすえ」などと京都人は言うが、そうだろうか、それだけの価値があるような気がする。
来年の干支、ウサギを紅白のかまぼこでお雑煮の具にできるほどの大きさに見事にかたどって売っている店。早速1パック買う。
ゆばも煮物用、汁物用、いろいろある。結びにした汁物用を買う。
そして、生麩の店。ピンクの花がたのを買う。こんにゃくも梅の花型、芯は人参、牛蒡など、それもおでん用に買う。八百屋で壬生菜も。
雑貨屋には築地で売っているのよりもっと長くて先が細い、菜ばしがあったので、二膳購入。
中ほどにはブティックもあり、カフェもあった。
ウサギのデザインの美しい絵葉書、二枚組みも何組か購入。
正月用の切花、仏教用と神道用と、そのアレンジが美しい。これは見るだけで買わなかった。
まだまだ、白味噌、奈良漬など買いたいものはあったが、重くなるのでこのぐらいで我慢。
新京極から四条に抜けて、バス停を探し、無事京都駅へ。十二時過ぎの列車にチケットを替えてもらって帰京。
やはりわたしには一人旅が向いている。
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