ブリット余話
たしか、サンフランシスコの坂のすごいカーチェイスの映画よね、とわたしが言うと、滑走路の追いかけっこがすごいやつさ、と夫。
二人の記憶が異なるまま、テレビ画面を並んで見入った。
ラストちかく、マックィーンが止めをさすように、拳銃をかまえるかっこいい姿の映像はしっかりと頭の奥にきざみつけられている。
話の筋以外のことがやたらと目につく。
マックィーンがTVディナーを数個かかえこむところがあったからだ。ああ、なつかしい、あれ、おいしかったんだけどな、今はもうないのかしら?
夫もほかのことに目が行っていた。
愛人の女性が乗ってる車、あれ、カルマンギアーだ、ほら、プアマンズポルシェってやつさ。つまり本物のポルシェが買えない、貧乏人が買うしろもの。
茶色とネイビーの取り合わせなんて考えられなかったよな、確かにそう。
でもマックィーンのブルーの目を濃くしたようなセーターと彼の髪の色を濃くした茶のジャケット、この刑事の私服はなんとも言えない。よきアメリカ時代のカラーコントラスト。
そして坂のカーチェイスも滑走路のチェイスも、今見ても決して古さを感じさせない、ド迫力。
二度目に一緒に見る昔の映画は老夫婦を少し円満にしてくれる。
« 半世紀の重み | トップページ | 佐野洋子さんありがとう »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「カムカム…」終わる(2022.04.08)
- 「カムカムエヴリバディ」から始まる毎日(2021.12.27)
- ネットフリックス、わたしの今、イチオシ、イッキ観の作品(2021.09.02)
- 『時の面影』から『ホワイト・クロウ、伝説のダンサー』へ(2021.08.11)
- ソーイングビー(3)決勝戦1(2021.07.09)
コメント